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アートセラピー講座:アートセラピーとはアートセラピー講座:アートセラピーとは

は じ め に

葉っぱ

アートセラピーとは文字どおり「アート」を用いたセラピーの方法です。絵を描いたり、ものを作ったりといった「アート」という方法を用いて、自由に自分を表現していきます。そして表現するということ自体にも「セラピー」効果があるのです。

アートとは何でしょうか?

「アート」と聞くと、多くの方は美術館に飾られているような「有名な画家の作品」をイメージされるようです。それらは美しく、技術的な面でも大変に優れているものが多くあります。そして絵を描くことは普通の人とは違った感性や才能を持っている人ができることで、自分が何かを描くなんてとんでもない、とおっしゃる方もいます。

このように、すでにでき上がって評価された作品だけに対して「アート」と理解されていたり、「アート」に対するイメージが日常とかけ離れた存在になっていることは少なくありません。

しかし本当は、人の手によって創り出されたものすべてを「アート」と言うことができるのです。そしてアートセラピーにおける「アート」のとらえ方は「心の中にある思い(イメージ)を目に見えたり、他の人と共有できる形に変えて表現していくこと」であり、上手下手はなく、また良い作品、悪い作品などもありません。

上手い、下手は関係ありません!

大人になると描く時に意識してしまうのは、やはり上手下手です。子どもの頃から、美術の授業などでずっと評価されてきた私達は、描いた絵を知らず知らずのうちに評価の目で見てしまっているようです。「自分にはとうていそんな才能はない!」とか「下手だから・・・」と、アート表現自体に抵抗を持ってしまう方たちが多いのは残念なことです。

幼い子どもの絵や作品を思い出してみて下さい。子どもたちは、自由に思いのままを表現し、すばらしい作品を見せてくれます。大人の目から見ると技術的には未熟に映ることもあるかも知れませんが、子ども自身は技術のすばらしさの評価を期待しているのではなく、思いのままの気持ちをただ作品に表現しているのです。

クレヨン

とりわけ、自分の気持ちをまだうまく言葉では伝えきれない彼らには気持ちの表現としてのお絵描きや工作は、必要不可欠なことではないでしょうか。(そんな子どもたちですが、大人の評価の目がいつしか彼らの自由な感性をうばってしまっているように思います。)

私達大人もさまざまに複雑な人間関係があると、言葉のコミニュケーションは難しくなり、言いたい事も言わずに我慢したり、自分で自分がわからなくなったりします。そんなとき、思いのままに手を動かしてみたり、何かを作ってみることで、なにかしらすっきりしたり、自分の姿をすこし離れた所から見つめることができます。

上手に作ろうと意識せず、ひたすら作業に没頭された方の多くが、楽しかったとおっしゃいます。それは誰かのためではなく、自分自身のために作っているからなのです。

アートセラピーをすることでどうなるのでしょう?

日々を過ごす中で、私たちは心ない言葉に傷ついたり、思いが伝わらなかったりして、怒りや悲しみの感情が起こってきます。その内側にわき起こった感情のエネルギーは、外に向かって表現していく必要があります。しかし「悲しみや憎しみの感情」や「言葉になりにくい漠然としたイメージ」などは、なかなか表現できず、ついつい心に溜めてしまいます。

そして、たまりに溜まった感情は、時には自分自身でコントロールできない形になり、思わず外に現れてしまう事もあるのです。

画材

アートセラピーではそういった心に溜った思いを、絵に描いたり、何かを作ったりしていく事で、自分でコントロール出来る安全なかたちにして外に出していきます。そうすることで心や身体の負担が少しずつ軽くなっていき、作る過程において思い浮かんだことや気づいたことなどは、自分自身からの大切なメッセージとして受け止めることができます。

人は言葉で考え、言葉で表現(コミニュケーション)していますが、言葉にならないイメージもその内側に持っています。なんとなく悶々とした気持ちや不安など、言葉になりにくい世界をアートという手段を使って、自分で見えるかたちにして出していくので、描くまでは気がつかなかった「心の深い所にある痛み」に気づくこともあります。(これは、時としてアートセラピーはただ楽しくできるというものではないことも示しています)

しかし、このことは、一度蓋をしてしまった感情を再び見つめ直し癒されたいという願望が、絵や作品に表れてきているのです。アートセラピーでは、ひとりでは向かい合えなかった体験をセラピストと共にアートを通して見つめ直すことができるのです。

実際には、どのようにすればよいのでしょうか?

長い間絵を描く機会を持たなかった方にとって、いざ「何か描きましょう」と言われても、どうすればよいかわからないものです。

何かを描かなければならないと思わずに、気持ち良い色を選んで落書き感覚で手を動かしてみたり、興味を引かれる材料があれば、完成品を作りあげる必要もありませんので、気軽に画材に触れてみるところから始めて下さい。描く気がしない時も、様々な画材を眺めているだけでも楽しいとおっしゃる方もいらっしゃいます。目からいろんな色を感じるだけでも構わないのです。

また、セラピストの方からテーマを提供することもできます。テーマはその都度、お話しをながら決めていき、抽象的なイメージで表現してもらうこともあれば、具体的な場面を描いてもらうこともあります。

その他に粘土や木片などを使ったり、コラージュという貼り絵(雑誌の写真やイラストを自由に切り取って貼りあわせていきます)を楽しむ方法もあります。

クレヨンと絵

気軽に試してみるところから始めて下さい。描く気がしない時も、様々な画材を眺めているだけでも楽しいとおっしゃる方もいらっしゃいます。目からいろんな色を感じるだけでもかまわないのです。

私たちの役割の一つは、このような場を作り、表現しやすいように手助けすることであり、その表現の見守り手でもあることなのです。

でき上がった作品から何がわかるのでしょうか?

一枚の絵から、今の自分の状態が意識できることもあれば、回を重ね様々な方法を用いて表現を続けていくことで、最初の作品の意味が見えてくることもあります。

しかし、作品から何かを見いだすだけではなく、表現を楽しむことも大切なプロセスですので、必ずしも作品についての意味を探っていく必要はありません。あくまで、自らが心からわかりたいという思いを優先して、セラピストは関わっていきます。

セラピストの役割は創作の過程も含めて作品を共に味わい、その方の気づきの過程を共に歩むことです。このようなものを作ってみたいとか、見て欲しい絵があるといったことでも、お気兼ねなくご相談下さい。

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