最近では、体と心は切り離せないものなのだ、ということがしだいに医療の専門家の中でも認められてきています。体の病は、悪いと診断されたその一部分だけを治療すれば良くなるともいえず、環境が 変わればあっさり治ってしまったということも起こります。逆に心の不安定さから体の病を引き起こすこともよくあります。
また、人は人生の岐路に立ち、生きる意味や目的などを考える機会が必ず訪れます。このようなとき、体と心という二つの観点だけでなく、自分自身を越えた何か大きな力を感じることがあります。人間らしく生きる、と考える時、スピリチュアルなものに触れずにはいられません。体 と心、そしてスピリチュアリティー、この3つは切り離して考えることはできないのです。
アートセラピーは、画材を用いて体の感覚とつながり、ワークによっては体そのものの感覚に焦点を 当てて表現していきます。体と心を画材がつなぐ役割もするのです。
さらには、アートセラピーの表現の中に、自分自身の意識を超えた無意識的なものがあらわれ、そこから深い体験に導かれることもあります。古代の人々はアートを今のように飾ったり楽しんだりするものとしてでなく、神の領域に近づく儀式の中や神の身代わりとしてアートを用いてきました。アート表現がスピリチュアルな体験と結びつくことを実感していたのかもしれません。
